ヘルプデスク部門の業務内容は大きく変わろうとしています。インターネットの普及により、お問い合わせ窓口が多様化してきています。電話やお問い合わせフォームだけでなく、LINEやSNSからの連絡にも対応しなければいけません。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリモートワークが普及し多様化した働き方が認められるようになりました。さらにDX推進に対応する必要があります。
これらを見据えて、ヘルプデスク部門の立ち上げる場合はどのようなツールを導入すれば良いのでしょうか?この記事では、将来を見据えたヘルプデスクツールの選び方について解説します。
目次
ヘルプデスク部門に待ちわびる3つの課題
今後ヘルプデスク部門は、(1)マルチチャネル対応による業務負担の増加 (2)DX推進による業務負担の増加 (3)優秀な従業員の長期雇用の施策の検討など、主にこれら3つの課題を考えなければいけません。
マルチチャネル対応による業務負担の増加
LINE株式会社の調査結果では、店舗・企業へのお問い合わせで便利だと思う連絡手段として「LINE」と「電話」が同率で1位となりました。
LINEは場所や時間を気にせず利用できる手軽さが評価されています。また、75%の人が「LINEでお問い合わせができない店舗より、できる店舗を利用する」と回答。
このように、コミュニケーションツールを活用したお問い合わせが増えています。今後、カスタマーサポートの顧客満足度を向上させるためには、コミュニケーションツールなど多様なチャネルを活用して顧客対応していかなければいけません。その一方で、各チャネルを使用しなければならず、ヘルプデスク業務負担は増加してしまいます。
解決策:オムニチャネル化する
多様なチャネルを統合・連携させて実現するビジネス戦略のことをいいます。デジタルツールを活用して、お問い合わせ窓口となるチャネルを統合することを指します。
オムニチャネル化に対応したデジタルツールを導入すれば、電話やメール、Webサイト、チャットボット、LINE、SNS、メッセンジャーなどの各チャネルの対応を1つのシステム上で行えるため、業務効率化が実現できます。
DX推進によるヘルプデスク業務負担の増加
Internet Initiative Japan社の調査報告書によると、リモートワークを活用した在宅勤務へのシフトにより、さまざまな課題が出ました。
Web会議ツールの使用方法がわからなかったり、インターネットの遅延や接続不良が起きたりなどの問題が発生しています。その結果、各従業員からヘルプデスク部門へお問い合わせが増加したのです。
DX推進を行えば、リモートワーク導入時と同じようにヘルプデスクツールに関するお問い合わせが増えるでしょう。DX推進は必須と言われているため、同時にヘルプデスクツールの強化をしておく必要があります。
解決策:FAQサイトを作成する
FAQとは「よくある質問」であり、FAQサイトを作成して、顧客の自己解決を促します。近年では、AI搭載型チャットボットを搭載して、顧客の質問への回答の自動化もされています。
補足:成功事例
通信会社S社は、バックオフィスの申請業務に関するお問い合わせも増えた結果、ヘルプデスク部門はひっ迫していました。この問題を解決するために、FAQシステムを導入。
FAQシステム導入により、業務の悩みの自己解決率を50%向上させ、ヘルプデスク業務削減に成功。FAQシステムによる業務コストの削減効果は年間1,200万円分となりました。
優秀な従業員の長期雇用の施策の検討
コールセンタージャパンの調査結果によると、オペレーター離職率が71%以上と回答した企業が約2割もいることが分かります。10人採用しても3人しか定着しない計算になり、離職率の高さに驚くでしょう。
離職原因は(1)クレーム処理が大変(2)覚える内容が幅広い(3)研修などのサポートが不十分(4)上司によって説明の仕方が異なる(5)スキルアップに繋がらない(6)業務負荷が不均一で納得できないなどが挙げられます。
解決策:テクノロジーを活用して不満・不安を解消
オペレーターの離職率は、下記の機能を活用して改善していきましょう。
- ナレッジ共有をして上司による説明の仕方の違いやサポートの不十分さを解消
- 案件の割振りをAIで自動化して類似案件を割り振り、覚える内容を絞り込む
- 通話内容を録音しておき、定期的にオペレーターの教育の場を設ける
- 従業員の稼働状況を可視化して、案件割り振りを均一化させる
現場の課題を解決する!ヘルプデスクツール機能
変化が激しい環境の中、将来を見据えてヘルプデスクツールを導入するのであれば、次の機能が搭載されているかを確認しましょう。
1.オムニチャネル
オムニチャネルという多様なチャネルを統合・連携させて実現するビジネス戦略を立てましょう。電話やメール、SNS、LINEのお問い合わせの返信をデジタルツール上で一本化させれば、各チャネルを跨ぐ必要もなく業務効率化が図れます。
2.FAQ
FAQサイトとは頻繁に尋ねられる質問と回答が完結にまとめられているサイトのことをいいます。FAQサイトを作成しておくことで、顧客側による自己解決を促すことができ、ヘルプデスク業務の負担を軽減できます。
FAQに関しては「失敗しないFAQの作り方!チャットボットまで社内作成する5STEP」を参考にしてください。
3.チャットボット
チャットボットは、顧客に対する質問に自動で応える画期的なロボットです。FAQサイトを作成しても、質問が多ければ、どこに何が記載されているか分からなくなります。このような問題は、チャットボットによる回答で解消することが可能です。
チャットボットに関しては「チャットボットの自作は簡単!ツール選びから簡単な作成手順まで解説」を参考にしてください。
4.AI
AIとは人間の知性を持った機械のことをいいます。AIを活用すれば、案件の割振りの自動化が実現できます。SLAの項目に応じた割振りをしてくれるため、ヘルプデスク業務の品質を担保しながら、業務効率化が行えるでしょう。
5.チャット機能
“チャット”と呼ばれるコミュニケーションツールは、ビジネスの場でも使用されています。ヘルプデスク部門では、案件別のチャットを備えておくと、顧客対応の相談がしやすく便利です。
6.データ分析
オペレーターの稼働状況や通話内容の記録は欠かせません。このようなブラックボックス化しやすい情報を可視化すれば、顧客対応の品質向上や多様な働き方の対応が実現できます。
ヘルプデスクツールの選び方
さまざまなヘルプデスクツールが登場していますが、選ぶときは「機能」「コスト」「操作性」を重視しましょう。
機能 | ヘルプデスク部門の現場の課題を洗い出して、課題解決のために必要な機能が搭載されているヘルプデスクツールを選ぶようにしましょう。 |
コスト | ヘルプデスクツールは年間ランニングコストが発生します。コストを安く抑えることができれば、他のことにコストが活用できるため「予算内であるか?」などを含めて検討していきましょう。 |
操作性 | オペレーターの離職率は約30%と述べましたが、頻繁に入れ替わるため、誰もが使用できるUI・UXのヘルプデスクツールであるかを確認してください。無料トライアルで操作することをおすすめします。 |
おすすめヘルプデスクツール4選
次に要望により、おすすめのヘルプデスクをご紹介します。事業規模や業務内容に見合うヘルプデスクツールを導入してみてください。
1.yaritori
Onebox株式会社が提供する問い合わせメールの対応効率化に特化したヘルプデスクツールです。980円から利用できるシンプルで使いやすいサービスなのが特徴で、初めてヘルプデスクツールを導入する方にオススメです。
機能
- メールの対応状況を可視化するステータス管理
- 社内メンバーに相談できるチャット機能やSlack連携
- お客さまごとの対応履歴の表示
- 対応件数などを集計するレポート機能
コスト
- 1ユーザー月額980円から利用可能
- 14日間の無料トライアルあり
- 初期費用 / 最低契約期間なし
操作性
- 誰でも使えるシンプルな画面デザイン
- サクサク動く操作感
- 1分で導入できるほど導入がかんたん
2.Re:lation
Re:lationは導入実績3,300社越えを誇る人気のメール共有システムです。画面の見やすさ、操作性に定評があり、2019年にはグッドデザイン賞を受賞しています。複数チャネルからの問い合わせに対応も可能となっています。
機能
- メール・電話・SMS・LINE・twitter・チャットなどに対応
- 対応状況を未対応・保留・対応完了・対応不要の4つのステータスで表示
- オペレーター教育や集計・分析も可能
コスト
- 比較的高額。月額3万円から利用可能
- 初期費用が別途費用
- 最低契約期間3ヶ月
操作性
- グッドデザインアワード受賞の使いやすいインターフェース
3.Freshdesk
Freshdeskは、全世界15万以上の企業に愛用されている人気ヘルプデスクツールです。全てのチャネルを一元管理でき、案件別のチャット、FAQサイト作成、チャットボット開発などの機能が充実しています。
機能
- 複数チャネルからのお問い合わせを一元管理
- 優先付けや問い合わせの分類
- FAQサイトやチャットボットが簡単に作成できる
- 案件別のチャット機能、対応件数などを集計するレポート機能を搭載
コスト
- 1ユーザー月額1,700円で利用可能
- 14日間の無料トライアルあり
- 初期費用 / 最低契約期間なし
操作性
- SNSを彷彿とさせるシンプルで馴染みあるUI
- サクサク動く操作感
- 海外製品だが保守が入れば問題なく導入、運用ができる
4.Zendesk
Zendesk Supportは、全世界で200,000社の導入実績のあるカスタマーサポート・サービスを効率的に行うことができるサービスです。
機能
- 複数チャネルからのお問い合わせを一元管理
- 担当者の自動割り当てなど、自動化に強み
- FAQシステムの構築
- 対応件数などを集計するレポート機能
コスト
- 1ユーザー月額5,600円から利用可能
- 14日間の無料トライアルあり
- 初期費用 / 最低契約期間なし
操作性
- サポートコンテンツは英語表記のみ
- 導入サポートが用意されていない
価格 | 機能 | 操作性 | |
yaritori | 〇 | × | 〇 |
Re:lation | △ | △ | 〇 |
Freshdesk | △ | 〇 | 〇 |
Zendesk | △ | 〇 | × |
まとめ
今回は、将来を見据えたヘルプデスクツールの選び方をご紹介しました。環境の変化が激しい今、ヘルプデスクツールを導入する際は将来を見据えたツール選びをした方がよいでしょう。今後、ヘルプデスク部門は、以下のような課題を抱えます。
- マルチチャネル対応による業務負担の増加
- DX推進によるヘルプデスク業務負担の増加
- 優秀な従業員の長期雇用の施策の考案
これらに対応していかなければ、オペレーターの業務負荷が重くのしかかり、上手く運用できなくなります。そのため、ヘルプデスク部門もDXを推進していくべきなのです。Freshdeskは、ヘルプデスク部門のDXを加速させる画期的なシステムです。ぜひ、これを機会に無料トライアルをお試しください。
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