5G(次世代通信)の登場などインターネット環境が整備されたことにより、クラウドサービスが普及し始めています。このような動向は、コールセンターシステムにも該当し、クラウド型コールセンターを立ち上げようとする企業が増えています。
- なぜ、クラウド型コールセンターが増えているのか?
- クラウド型コールセンターの立ち上げ方とは?
- クラウド型コールセンターに必要なものとは?
この記事では、クラウド型コールセンターの立ち上げ方について詳しく解説します。コールセンターの立ち上げを検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
クラウド型コールセンターが普及する理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークが推奨され、多くの方に認知されました。新型コロナウイルスが収束した後も、リモートワークを希望する方は一定数いることでしょう。
日経HRの調査報告書では、新型コロナウイルス収束後も在宅勤務を希望したいと回答した方は約6割。半数以上の方が在宅勤務を希望していることが分かります。
この調査報告書から分かるように、優秀な人材を採用するためには、多様化する働き方に対応した職場環境づくりが必要となります。
補足:クラウド型コールセンターで職場環境を整備する
オンプレミス型コールセンターは、電話機を購入したり電話回線の工事を行わなければいけません。その一方で、クラウド型コールセンターであれば、通信環境が整っており、PCやスマホなどのデバイスがあれば工事が必要なく簡単に接続ができます。
在宅勤務者を雇用する場合は、クラウド型コールセンターを立ち上げておけば柔軟に対応することができるのです。このような理由により、優秀な人材を獲得する目的でクラウド型コールセンターに切り替える企業が増えています。
コールセンターを立ち上げる際の3つの課題
コールセンターの立ち上げに失敗しないように、想定される課題について理解を深めておきましょう。
1.優秀な人材の確保が難しい
コールセンターは人材採用が難しく、離職率も高いことが問題視されています。離職率が高い理由として、以下のようなものが挙げられます。
- クレーム処理に心が折れる
- 覚えることが多い
- 研修などのサポートが不十分
このような精神的負担がかかる業務のため、人材確保が難しく離職率が高くなっています。
解決策:働き方の多様化を実現する
テレワークが普及したことにより、在宅勤務を希望する方が増えています。多様化する働き方に応じられる企業は、今後優秀な人材が獲得しやすくなるでしょう。そのため、コールセンターも働き方の多様化を認め、職場環境を整備する必要があります。
テレワークを実現する場合は、正当な評価ができるように在宅勤務者の稼働率を可視化、ノウハウの共有をするなど働きやすい職場環境を整備しましょう。これらを実現するためには、デジタルツール導入が欠かせません。
2.導入コストが高い
自社でコールセンターを立ち上げる場合は、導入コストの高さも課題として挙げられます。電話機の購入費や電話回線の工事費が発生します。規模に応じて異なりますが300万円以上はかかるでしょう。
初期導入コストが高いため、自社でコールセンターを立ち上げることを踏みとどまる企業も多いです。
解決策:クラウドシステムを導入する
コールセンター導入コストの課題は、クラウドシステムを導入することで解決できます。クラウド型コールセンターはデバイス(PCやスマホ)と通信環境があれば簡単に導入できます。
電話機器を購入したり、電話回線の工事の必要もありません。初期導入費を抑えられるためコールセンターが立ち上げやすくなります。
3.品質の維持が難しい
コールセンターの対応品質は維持しなければいけません。優秀なメンバーが退職すると、コールセンターの対応品質は大きく損なわれます。そのため、各オペレーターの稼働状況や保有スキル、メンタル状況を把握してサポートしなければいけません。
しかし、多くのオペレーターが在籍している場合、1人1人の状況を管理することは非常に難しいです。手厚いサポートができないと悩む企業も少なくありません。
解決策:コールセンターの運用状況を可視化する
コールセンターの対応品質を維持するために、コールセンターの運用状況を可視化させましょう。稼働率が一目でわかれば、オペレーターのモチベーションやメンタル状況が読み取れるでしょう。
また、一次解決できなかった案件を整理して、社内のオペレーターがどのような対応でつまずいているかをサポートしていきます。このように、運用状況を可視化してサポートすることで対応品質が維持できます。
クラウド型コールセンターの立ち上げ方
クラウド型コールセンターを立ち上げる場合は、どのような手順で進めれば良いのでしょうか?手順を間違えてしまうと、システム導入や人材採用で失敗してしまうため注意してください。ここでは、クラウド型コールセンターの立ち上げ方をご紹介します。
1.コンセプト設計
まずは、コンセプトを設計します。コンセプトを明確にすることで、立地場所や採用方法、導入すべきシステムが明確になります。コールセンターの立ち上げスピードも加速できるでしょう。
そのため、コールセンターの類型(代行受付・営業推進・カスタマーサポート・販売チャネル)、目的、業務特性、経営陣の意向などを参考にしてコンセプトを設計してみてください。
コンセプト設計の例
類型 | カスタマーサポート |
目的 | 高額商品を購入する方向けのコールセンターを立ち上げて顧客満足度を上げる |
平均通話時間 | 10~20分/件 |
求める人材 | 経験豊富なオペレーター、接客スキルの高いオペレーター |
業務特性 | 通話時間の縛りはなく、顧客に寄り添い親身に対応することで顧客満足度を獲得する |
2.業務プロセス設計
次に業務プロセスを設計していきます。SVやオペレーターの業務フローを整理しましょう。
オペレーターの業務フローとしては、
- どのような案件の割り振り方が必要になるか?
- 1日のオペレーション業務の流れは?
- 定期報告の方法や頻度は?
- イレギュラーの案件には、どのように対応すべきなのか?
などを想定して業務プロセスを設計していきます。
3.マネジメント設計
業務プロセスの設計を終えたら、マネジメント設計をしていきます。
- オペレーターの業務プロセスは適正であるか?
- コールセンター運営が順調であるか?
などの判断基準を定めていきます。KPI(管理指標)を設定すれば、コールセンターのマネジメントがしやすくなります。
4.組織体制の明確化
業務プロセスやマネジメントを設計できたら、組織体制を明確にしていきます。コンセプトで設計したコールセンターを実現するために必要な工数を算出して、必要なオペレーターの人数や役割、チーム体制を考えていきましょう。
5.人材育成方法の明確化
組織をつくるために、どのような人材が必要になり、どのように育成していくかを明確にしていきます。また、オペレーターだけでなく、SVやマネージャーの育成方法も明確にしておきましょう。
6.システム導入
次にコールセンターシステムを導入します。コールセンターシステムを導入する場合は、トライアル体験をしてみて、誰でも簡単に使用できるかを確認してください。現場で活用できるシステムか確認することは非常に重要です。
また、下記の機能が搭載されているシステムを導入すれば、業務効率化が図れるので参考にしてみてください。
CTI | オペレーターの振り分けを行う |
PBX | 複数の拠点間で電話転送をする |
CRM | 顧客情報の一元管理をする |
FAQ | オペレーションノウハウを共有する |
チャットボット | お客様の疑問をWeb上でその場で解決できるようにする |
7.各種マニュアル作成
システム導入後に各種マニュアルを作成していきます。電話対応マニュアル、人材育成マニュアル、システム運用マニュアル、及び勤務体制マニュアルなど必要なものは多岐に渡ります。
マニュアルは作成がゴールではありません。各オペレーターにマニュアルを活用してもらうことがゴールとなります。そのため、各種マニュアルは誰でも閲覧できる場所に保管しておきましょう。
8.スタッフの採用
マニュアルを整備したら、スタッフの採用・研修を実施していきます。事前に作成しておいたマニュアルを使用してOJTを実施していきながら、オペレーターが1人立ちできるように育成していきます。
クラウド型コールセンターの実現は「Freshdesk」
クラウド型コールセンターを立ち上げるためには、デジタルツールの導入が必要です。さまざまなコールセンターシステムの中でも「Freshdesk」をおすすめします。ここでは、Freshdeskの魅力について詳しく解説します。
1.最短1日で導入が可能
Freshdeskは、最短1日で導入ができます。PCやスマホなどのデバイスがあれば、アプリをインストールするだけで電話機として使用できます。
回線工事を行う必要ありません。そのため、在宅勤務者を採用したり、他拠点展開したりする場合でも柔軟に対応できます。
2.運用コストが安く抑えられる
Freshdeskはインドで開発されたソリューションで、世界で認められているデジタルツールです。品質は高品質でありながら、低価格で導入できることがFreshdeskの強みです。
競合製品と比較すると4割程度安い価格で導入ができます。そのため、クラウド型コールセンターを低コストで実現したい方におすすめです。
3.コールセンターの運用状況を分析できる
Freshdeskを活用すれば、コールセンターの運用状況を分析できます。コールセンターの運用データは分析することで、以下のようなことがわかります。
- 顧客のニーズ
- 顧客の属性や傾向
- 商品やサービスの向上
- オペレーターの質の向上
- 適切な人事評価
4.在宅勤務者の勤務状況を可視化できる
Freshdeskを導入すれば、オペレーターの勤務状況が可視化できます。可視化したデータを活用すれば、正当な評価ができるため、在宅勤務者も安心して働けるようになるでしょう。在宅勤務者が安心して働ける職場環境を整備すれば、優秀な人材が確保しやすくなります。
5.SLAに応じた運用が実現できる
コールセンターと顧客の間でサービスレベルの合意をしておくとトラブルが防げます。そのために設ける基準がSLAです。
コールセンターのSLAは「サービス品質」「応対の品質」「生産性の指標」「コストの指標」「保証金額」が定められることが多いです。Freshdeskは、コールセンターのSLAを基準とした運営支援を得意としています。品質に満たない箇所をアラート通知で知らせてくれるため、コールセンターの品質を一定基準に保つことができます。
SLAについて詳しく知りたい方は「SLAとは?コールセンター部門のSLA項目の設計方法まで解説」を参考にしてみてください。
6.チャットボットが作成できる
チャットボットとは、リアルタイムで会話形式のコミュニケーションが取れる「チャット」、ロボットを表す「ボット」を合わせた言葉で「自動会話プログラム」のことを指します。
チャットボットは、夜間や休日などオペレーターが対応できない時間に、自動回答して顧客側による自己解決を促すために使用されるものです。
お問い合わせ数の削減や24時間365日応対の実現、顧客満足度の向上などを目的に導入する企業が多いです。Freshdeskであれば、誰でも簡単にチャットボットが作成できます。
チャットボットについて詳しく知りたい方は「チャットボットの自作は簡単!ツール選びから簡単な作成手順まで解説」を参考にしてみてください。
Freshdeskに関して詳細を知りたい方は「Freshdeskとは?導入事例からメリットまで徹底解説」を参考にしてみてください。
クラウド型コールセンターシステムはFreshdeskで実現
今回はクラウド型コールセンターの立ち上げ方について解説しました。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが推奨され、在宅勤務を希望する方が増えるなど働き方が多様化されています。優秀な人材を採用するためにも、働き方の多様化に対応できるコールセンターを整えましょう。
この記事では、コールセンターの立ち上げ方まで解説しました。ぜひ、正しい手順でコールセンターを立ち上げてみてください。また、コールセンターを立ち上げ、テレワークを実現するためにはデジタルツールの導入が欠かせません。
Freshdeskはコールセンターシステムや顧客管理システムがワンパッケージになった製品です。導入のしやすさや操作方法が魅力となっているため、ぜひ、コールセンター立ち上げ時に検討してみてください。
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