昨今、ヘルプデスクでは、問い合わせの量が増え続けています。デジタル化に伴い、問い合わせチャネル(電話、メール、Webサイト、SNSなど)も増え、内容も複雑化してきています。そんな中、Excelやメールでのアナログ管理に限界を感じている担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
ヘルプデスクに集まる問い合わせ情報は、お客様と企業の良好な関係を築く要となるだけでなく、顧客分析やニーズの訴求などの営業活動やマーケティングにも役立ちます。そのため、“問い合わせ管理は企業成長の鍵を握る”とも言われ、その重要性は広く認識されるようになりました。多くの企業で、従来のアナログな管理方法を見直し、クラウドツールの導入などによるDX化が急速に進んでいます。
そこで本記事では、Excelやメールなどでの問い合わせ管理において生じる問題や、それらの問題を“ヘルプデスクツール”で解決する方法などについてご紹介いたします。
目次
ヘルプデスクのDX化が迫られている背景
ヘルプデスクに寄せられるお問い合わせ内容は多岐に渡り、お客様からの製品・サービスの疑問やクレーム、社内からのシステムなどに関する問い合わせまで様々です。そのような問い合わせに対応し、可能な限り円滑・迅速に問題解決まで導くのがヘルプデスクの業務です。そんなヘルプデスクにおいて、DX化が迫られている背景から見てみましょう。
人手不足・働き方改革の影響
ヘルプデスク関連の職業は他業種と比べて定着率が低い傾向にあり、さらに少子高齢化も影響し、慢性的な人手不足が問題となっています。また、「働き方改革」の影響で、ヘルプデスクにおいても生産性の向上に力を入れる必要性が増してきています。これまでのアナログ管理からデジタル管理にシフトすることで、業務の効率化・スリム化が図れ、生産性の向上を実現することができます。
ワークスタイルの多様化
デジタルインフラの発展、コロナ禍に起因したリモートワークの導入などにより、ワークスタイルが多用化していることもDX化が求められる要因のひとつです。特に、リモートワークのような遠隔業務を行う際、データや書類をデジタル化することは必須であり、これまでのアナログ管理では対応しきれない部分もあります。アナログ管理で全て対応することが可能であったとしても、時間や労力がかかり、生産性は格段に劣ると言えます。さらに環境資源に配慮することが重要となってきた昨今、紙媒体でのデータ管理からデジタル化へシフトすることは企業において取り組まなければいけない課題とも言えます。
サービス品質の均一化で顧客満足度の向上
ヘルプデスクにおいて円滑で迅速な対応を行う事は企業のブランドイメージや売上にも関わり非常に重要なポイントです。担当者によって対応時間、対応内容などのサービス品質が異なるような状況は極力防ぐ必要があります。そのためにも、ナレッジベースを充実させ、だれもが一定の水準を満たしたサービスを提供できる環境を作る必要があります。これまでの属人化したアナログ管理ではサービス品質を均一に保つことは難しいでしょう。
Excelやメールなどのアナログ管理で生じる問題とは?
ヘルプデスクのDX化を推進する背景をいくつか挙げさせて頂きました。アナログ管理からデジタル管理へシフトする必要性について考えるにあたり、まずはアナログ管理で生じる問題にはどのようなものがあるのか整理してみましょう。現状抱えている問題を整理することで、解決方法も明確になります。
膨大な顧客情報の更新や保管が困難
Excel1枚のシートで取り扱えるデータ量には上限があり、上限に到達していなくても、管理項目の増加や複雑な関数の多用などにより、動きが重くなることもあります。社内サーバー等に保管し管理している場合でも、ダウンロードしてローカル環境で顧客情報を更新した場合、再度、社内サーバーにアップロードするなど手間がかかります。また、Excelを更新するとデータが上書き保存されるので、既存データの確認ができない、変更履歴が不明確になりやすいといったデメリットもあります。
複数人で円滑に管理をすることが難しい
例えばExcel 管理では、一人が編集中の場合、第三者はファイルの閲覧はできますが、同時編集はできません。そのため、情報共有に時間がかかり業務効率も低下します。共有ブック機能を活用した同時編集も可能ですが、同時に同じ箇所を編集した場合はどちらか一方の変更しか反映されないため、再度確認・編集する手間が発生したり、誤った情報で更新されてしまう可能性もあります。
人的ミスによる情報消失や情報漏洩のリスクが高い
Excelなど簡単な操作で削除や上書きができるものは、人的ミスなどにより誤って顧客情報を消失してしまう可能性もあります。さらにその履歴も残りません。またそのようなデータは簡単にダウンロード保存、外部メモリへの出力、メール添付などが容易であるため、情報漏洩のリスクが高いと言えます。情報漏洩が企業に与えるダメージは時に致命傷ともなり得るため、情報セキュリティも万全にしておく必要があります。
二重対応や対応漏れのリスクが高い
メールでの管理や、各チャネルごとに管理画面を立ち上げ個別に管理する方法では、問い合わせの進捗状況の把握に時間がかかってしまうケースも少なくありません。さらに、複数チャネルからの同一の問い合わせに対する重複対応や、他の担当者と重複して対応する「二重対応」、該当のメールが大量のメールに埋もれてしまうなどで「対応漏れ」のリスクも高くなります。
多面的な分析には向いていない
Excelで関数やマクロを利用してある程度の分析を行うことは可能ですが、元々Excelは汎用表計算ソフトであり、顧客分析の機能はないため、顧客情報を利用した多面的な分析を行うのには向いていません。顧客数の増加、多用な属性やステータスなどにより、シートやファイルを分割して管理することもできますが、その場合は必要な情報を見つけるのに時間や手間もかかってしまいます。
データのバックアップを取りにくい
Excelには自動的にバックアップを取る機能がありません。データを保存する前に誤って編集ページを閉じてしまった、Excelファイルを誤って削除してしまったなどの場合、また新たに情報を更新しなくてはいけません。メールでの管理においては、記録は残りますが過去の履歴を確認したい場合、下までスクロールするなど手間も時間もかかります。
Excelのバージョンが違うと使えない
Excelで作成した顧客情報システムやインターネット配布されているテンプレートの多くは関数だけでなくマクロやVBAも使用しており、それらはExcelのバージョンが異なると使えないというケースもあります。さらに、企業によっては何種類もバージョンが存在し、最新のExcelで作成した顧客管理システムが古いExcelでは使えないこともあります。
このように、Excel・メールなどのアナログ管理には限界があり、貴重な問い合わせ情報を有効に活用できないだけでなく、業務効率の低下や、セキュリティ面でのリスクにも繋がるのです。
アナログ管理に限界を感じたら「ヘルプデスクツール」がおすすめ
ヘルプデスクにおいて、これまで述べてきたようにExcelやメールなどのアナログ管理では対応しきれず、限界を感じている方もいらっしゃるかと思います。そのような方には“ヘルプデスクツール”をおすすめします。
“ヘルプデスクツール”とは、お客さまからの問い合わせ内容・回答履歴などの情報を、管理・共有するために利用するクラウドツールのことです。導入するツールによって機能の違いなどはありますが、基本的にはステータス管理(対応状況・担当者の設定など)、顧客情報管理(顧客情報・過去の対応履歴など)、分析/レポート機能など、ヘルプデスク業務の効率化や生産性の向上に必要な機能が凝縮されています。
“ヘルプデスクツール”は、近年さまざまなメーカーから提供されており、無料で試すことができるものも多いので、アナログ管理に限界を感じているなら、まずは、トライアルを体験されることをおすすめします!
ヘルプデスクツールの選び方を知りたい方は「“ヘルプデスクツール” 選び方の5つのポイント【業務効率化】」を参考にしてみてください。
“ヘルプデスクツールでできること”とは?
アナログ管理に限界を感じた方に“ヘルプデスクツール”がおすすめです!とお伝えしましたが、実際に導入した場合、業務がどのように変わるのでしょうか?それでは、“ヘルプデスクツールでできること”をご紹介いたします。
問い合わせの管理やナレッジ共有の手間削減
過去の対応履歴や現在対応している案件、対応ステータスなど、問い合わせに関するすべての情報をひとつの画面上で効率的に確認、管理することができます。電話、メール、Webサイト、SNSなどの複数チャネルの問い合わせを一元管理することができ、複数の管理画面を立ち上げる必要はありません。さらに、全ての履歴や顧客情報(ナレッジ)も自動蓄積されていき、問い合わせ情報やナレッジの他者との共有もかんたんにできます。スムーズに、漏れなく、遅れなく、問い合わせ対応することができ、業務効率の向上が実現できるだけでなく、テレワークへの移行もスムーズです。
問い合わせ対応フローの自動化
問い合わせ対応時に発生する担当者の振分けや、リマインドメール送信など、あらゆる対応フローの自動化が可能です。さらに、テンプレート機能を活用した回答フローの自動化などの設定をすることもできます。また、未対応の案件を自動で担当者へ通知するなど、抜け漏れ防止アラート機能もあります。
他部門への情報共有の円滑化
問い合わせ内容によっては開発部門や営業部門など他部門へ情報共有する機会もあるかと思います。そのような場合に、他部門の担当者をタグ付けするなどして、円滑に情報共有をすることができます。またその際、ヘルプデスクツール上で問い合わせ情報は全て分かりやすく整理された状態になっているので、情報共有に時間をかける必要が無くなります。問題解決までの時間を大幅に短縮することができ、さらに、アクセス権限の設定も自由に行えるのでセキュリティ面も安心です。
大量・複雑なデータの管理や複数人での同時ファイル操作が可能
ヘルプデスクツールは顧客管理用に構築されているクラウドツールのため、多種多様で膨大な情報であっても問題無く一元管理することが可能です。データが増えても、インターフェースが重くならないので、外出先などからモバイル端末でデータを入力したり、参照したりすることも容易です。さらに、データベース本体のファイルを操作するため、同じデータでなければ、複数のユーザーで同時に操作することができます。
効果的なFAQの作成
FAQの作成や更新には時間がかかり、なかなか着手できなかったり、設置していてもお客様にとって使いづらい、なかなか活用されにくいなどの問題もあるかと思います。ヘルプデスクツールでは、“優先順の表示”や“キーワード検索”などの設定を行うことができる他、お客様から頂いた問い合わせからかんたんにFAQを作成できる機能なども充実しています。FAQを設置することで問い合わせ数の削減や顧客満足度向上などの効果も期待できます。
FAQについて詳しく知りたい方は「失敗しないFAQの作り方!チャットボットまで社内作成する5STEP」を参考にしてください。
ヘルプデスクのSLA設定でサービス品質管理
ヘルプデスクにおける対応ルール(SLA:サービスレベルアグリーメント)を設定し、社内およびお客様と共有することができます。SLAの設定により、SLA違反や未対応も自動で通知され、対応漏れやクレーム化の防止も可能です。さらに、レポート機能の活用により、担当者のパフォーマンスや対応状況なども瞬時に把握でき、ヘルプデスクのサービス品質向上、生産性の向上も期待できます。
SLAについて詳しく知りたい方は「SLAとは?コールセンター部門のSLA項目の設計方法まで解説」を参考にしてください。
このように“ヘルプデスクツール”を導入することで業務の効率化が図れ、セキュリティ面の強化にも繋がります。ここでご紹介した機能はヘルプデスクツールのほんの一部です。この他にもヘルプデスクツールには問い合わせ管理に必要な機能が凝縮されています。
まとめ
本記事では、Excelやメールなどのアナログ管理での問い合わせ管理において生じる問題や、それらの問題を“ヘルプデスクツール”で解決する方法などについてご紹介しました。ヘルプデスクツールを導入することで属人的に管理していた業務もシステム化され、情報共有も容易になり、業務効率や生産性の向上に繋がります。また、セキュリティ面の強化も図れ、効率的かつ安全に問い合わせ管理を行うことができるようになります。
Excelやメールでの問い合わせ管理に限界を感じている方は、ヘルプデスクツールの導入を検討されることをおすすめします。ヘルプデスクツール“Freshdesk”は、ヘルプデスク業務を効率化するクラウドツールとして、中小企業から大企業まで、世界で15万社の企業に導入されています。 14日間無料トライアルを利用して、その便利な機能や操作性をお試しください。
【Freshdesk】の基本的な機能はこちらもご覧ください。
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